第1回|麻雀の確率とは?初心者にも分かる「理論」と「実戦」の違い」

麻雀の確率で読み解くシリーズ

はじめに:麻雀の確率って、意外と身近

麻雀を打っていると、自然と「確率」を考えています。
たとえば——

  • 「この牌は通りそうだな」
  • 「この待ちは山にまだありそう」
  • 「そろそろ誰かテンパってる気がする」

実はこれ全部、確率を感覚で読んでいるんです。
この記事では、その“感覚”を「数字」で整理してみましょう。


1. 麻雀は確率のゲーム

麻雀の牌は全部で136枚
配牌で52枚使うので、残りの山はおよそ80枚ほど。
この山から順にツモって、誰かがアガるまで進んでいきます。

つまり麻雀は、

「残りの山から、どの牌をいつ引けるか」

という確率のゲームなんです。


2. 理論の確率と実戦の確率

理論の確率(純粋な計算)

何も情報がない完全ランダムな状態での計算です。
たとえば、残り山が60枚で 八萬 が3枚残っているなら、次のツモで引ける確率は 3 ÷ 60 = 約5%

計算はシンプル。ちなみに「約5%」は“20回に1回”の当たり。
序盤の1ツモで引けなくても普通、という感覚に近いはずです。ツモを重ねるほど当たりやすくなります。

実戦の確率(状況を踏まえた確率)

実際の対局では、次のような情報が次々に増えていきます。

  • 他家の捨牌
  • フーロ(鳴き)の有無
  • 局の進み具合

これらの情報をもとに、山にどの牌が残っていそうかを考え直していく。
これが「実戦の確率」、つまり条件付き確率です。


3. 「感覚」を確率で見てみると

麻雀を打ちながら自然にやっている“感覚的な判断”も、確率的に整理するとこう見えます。

感覚での判断確率の見方
他家が2枚捨てているから、この牌はもう少ない残り山にその牌がある確率が下がる
鳴きが多いから局が早く進みそうツモれる回数が減る
終盤だから危険牌は切りづらい相手がテンパイしている確率が高い

つまり、見えた情報をもとに確率を再計算しているということ。
みんなが自然にやっていることです。


4. 巡目で変わるツモ確率のイメージ

巡目が進むほど、1回ツモあたりの当たる確率は上がりますが、
残りツモ回数(チャンス)は減っていきます。

フェーズ巡目山に残る枚数待ち3枚のツモ確率(1回)
序盤2巡目約60枚約5%
中盤8巡目約40枚約7.5%
終盤14巡目約20枚約15%

終盤(14巡目)では、1ツモあたりの当たる確率が約15%まで上がります。
残りのツモは少ないものの、誰にでもツモるチャンスがある状況になり、場全体に緊張感が走ります。
確率が上がるほど局面も変わりやすくなる——体感してきた「終盤のアツさ」は、数字でもきちんと裏付けられているのです。


5. 確率が“感覚”を支えてくれる

麻雀は「運」に見えて、実は確率計算を都度し直した積み重ねです。
数字を通して見てみると、これまで感覚で捉えていた「流れ」や「読み」の中に、考え方の筋道があることに気づきます。

確率を知ることは、なんとなくの体感を、根拠のある体感へ変えていくこと
数字を意識するだけで、打ち方や押し引きの選択に一貫性が生まれます。

  • 根拠を持って押し引きできる
  • 放銃を減らせる
  • 役作りや手の進め方を冷静に選べる

確率を知ることで、考え方を広げるきっかけになるとうれしいです。
これまで“感覚”で打っていた部分に、少しだけ数字の視点が加わることで、
自分の選択に理由を持てるようになります。
それが、安定して強くなるための第一歩です。



次回予告

次回は「配牌で聴牌する確率」。
13枚の配牌の時点で、どれくらいの手がテンパイに近いのか?
数字で見ると、序盤の戦略がちょっと違って見えてきます。