第2回|配牌でテンパイする確率とは?|麻雀の“初手の運”を数字で見る

麻雀の確率で読み解くシリーズ

1. 配牌はどれだけの偶然でできているか

麻雀の始まりは、136枚の山から配られる13枚の牌。
これが「配牌(はいぱい)」です。
同じ種類の牌が4枚ずつあるため、まったく同じ配牌が来ることはまずありません。
つまり、毎局の配牌はそれぞれが一度きりの組み合わせなんです。

配牌を見て「今日はツイてる」と感じることがあります。
それも確率の中で起きた、ほんのわずかな“良い偏り”なんです。


2. 配牌でテンパイしている確率

13枚の時点でテンパイしている、つまりあと1枚でアガリになる手の確率は、およそ0.1〜0.2%
1000局に1回あるかどうかというレベルです。
もしそんな配牌に出会えたら、その局は間違いなく特別なスタートになります。

この配牌から「天和(テンホー)」や「地和(チーホー)」が生まれることもあります。
それほどに、配牌テンパイはめったにない特別な組み合わせなんです。


3. イーシャンテン(あと1枚でテンパイ)

配牌でイーシャンテン(あと1枚でテンパイ)になる確率は、およそ2〜4%
25〜50局に1回くらいの割合です。

「最初から形がいい」と感じる配牌は、実は上位数%のスタート。
感覚的な“ツキ”にも、ちゃんと数字の裏付けがあります。


4. “好配牌”とは? 配牌に期待を持てる形

テンパイほどではなくても、面子や対子が多く整った「好配牌」は、
およそ15〜20%ほどの確率で訪れます。
5回に1回くらいの頻度で、手応えを感じる配牌が来るわけです。

たとえば、雀頭候補が2つあり、あと1面子を作るだけでイーシャンテン──そんな形は“良い配牌”の典型。
序盤から手の方向性が見えてきて、自然と前向きな打牌ができるようになります。
この「手応えのある配牌」が来たときの高揚感も、確率通りの中で起きた“組み合わせ次第の上方ブレ”です。


5. 配牌を“運”ではなく“確率”で見ると

配牌が悪い日もあれば、何を切っても入らない日もあります。
でも、配牌テンパイが0.1%前後、イーシャンテンでも数%しかないと知っておくと、
多くの配牌は、テンパイにもイーシャンテンにも届かないごく一般的な形だとわかります。

そして、実戦では「牌の偏り」も確率の一部です。
字牌が多い配牌を引いたときは、そのぶん他家に数牌が偏っている。
同じ確率の中でも、分配のされ方によって印象は大きく変わります。
理論上の確率と実際の配牌にズレがあるのは、まさにこの“偏り”があるからです。

確率を知っているだけで、運の波も自然に受け入れられるようになります。
そして、たまに訪れる“良い配牌”の価値を、より実感できるようになるはずです。


6. まとめ:配牌の確率を知ると見えるもの

配牌テンパイはほとんど起こらない。イーシャンテンでも数%。
けれど、その数%を引けたときは、局の始まりから期待が高まります。

良い配牌は、それだけでその局に希望をくれるスタートライン。
そこからツモでどう形を作っていくか——その過程が麻雀の本当の面白さです。

次回予告

次回は「待ち方とツモ確率の関係」。
タンキ・リャンメンなどの待ち形によって、ツモ確率がどう変わるのかを数字で読み解きます。